Tinkercadで教員が学生のアカウントをあらかじめ作っておく方法

TinkerCADとは

 
TinkerCADは、ウェブブラウザで動作する無料のオンライン3Dモデリングプログラムです。
2011年に提供されて以来、 3Dプリント用のモデルを作成するための人気プラットフォームになっています。
2013年からは大手CADメーカーのAutodesk社が提供しており、多くの小中学校で授業に使用されています。
非常にわかりやすいUIで、専門的なCADよりも気軽に使えるため、インターネットで3Dデザインを公開する際のモデリングツールとして業務に使用している大人も増えています。

なぜ事前準備が必要?

Tinkercadを使ったワークショップでは、最初にアカウント作成を行う時間が意外とかかってしまいます。
メール認証やパスワード設定に手間取ってしまうと、せっかくの限られたワークショップの時間が「ログイン作業」で消えてしまい、肝心の3Dデザイン体験にたどり着けないこともあります。
そこで、主催者側で「学生用のアカウント」を事前に準備しておくと、当日はスムーズに授業に入ることができます。

教員/主催者向けアカウント管理機能

Tinkercadには教育機関向けに「クラスコードで参加する仕組み」が用意されています。
教員用アカウントを作成すると、以下のような管理が可能になります。
  • 学生ごとに個別のアカウントを発行
  • メールアドレス不要でログイン可能
  • クラスコード(全員同じ)とLogin code(個別に異なる)を配布するだけで学生が参加できる
  • 作品の一覧を教員が一括で管理できる
特に小学生や中学生対象のワークショップでは、メールアドレスを持っていない子どもも多いため、この仕組みは非常に便利です。

教員用アカウント新規登録方法

ここで解説するのは、教員用アカウントを新規で作成する方法です。
既に持っているアカウントを教員用アカウントに変更する方法は下の方の章で解説していますので、そちらを参照してください。
TinkerCAD.comをブラウザで開きます。Google Chromeがオススメです。
右上の をクリック
をクリック
説明を読み、 をクリック
説明を読み、 をクリック
をクリック
国籍と、誕生日を選択して をクリック
自分のメールアドレスと、他で使っていない新しいパスワードを入力して をクリック。パスワードは難しくて長いものを設定しましょう。 へのチェックも忘れずに。
 
無事にこの画面が表示されたら、 をクリック
TinkerCADのホーム画面に移動します
これで教員用アカウントの登録は完了です。
 

クラスの登録

トップページ左から、 を選択し、をクリックします。
について設定し、 をクリックします
セーフモードは、学生の権限をコントロールする機能です。下の方の章で解説しています。

学生の追加

クラス画面で、 をクリックし、 の通知文章を読み、 をクリック

一人ずつ追加する方法

学生の名前とLogin code(パスワード)を一つずつ入力して をクリックします。
学生名は日本語でもOKです。
Login codeは3文字以上の英字(小文字)・数字・記号です。学生欄にアルファベットで入力すると自動で入力されます。
そのままでも学生は追加できますが、別の学生が類推できる場合、他の学生のアカウントにログインしてしまう可能性があります。他人のLogin codeが類推できない工夫をしてください。

一気に追加する方法

複数人の学生をまとめて追加する方法です。
をクリックします
テキストボックス内に、学生の名前を1行ずつ改行して入力します。
名前は同じものがLogin codeとして自動で設定され、名前・Login code共に日本語使用可脳です。
日本語の場合、最後の行に改行を入れないと認識されないので注意してください。
の人数が合っていることを確認してクリックします
学生が追加されます。
 

学生にログイン方法を案内する

クラス画面の右上のクラスコード(XXX-XXX-XXX)をクリック
クリップボードにクラスリンクがコピーされるので、そのクラスコード入りのリンクをメールなどで学生に配布します。
 

学生の操作

学生がクラスコード入りの共有リンクを開くと以下の様な画面になるので、 をクリック
 
Login codeに教員から指示されたコードを入力し、 をクリック
※日本語のログインコードの場合、変換確定と同時にマイクラスへ移動しますので、変換ミスがたまたま別の学生の名前と一致した場合に意図せずログインしてしまうことがあるので注意
 
学生用のログイン画面が表示されます。
 

既に持っているアカウントを教員用アカウントに変更する方法

この章は、パーソナルアカウントとして既に持っているアカウントを教員用アカウントに変更する方法です。
この手順でパーソナルアカウントから教員用アカウントに変更すると、パーソナルアカウントに戻すことは出来ませんので注意してください。
アカウントにログイン後、右上のアイコン→ をクリック
欄で を選択し、下部の をクリック
説明を読み、チェックを入れてから をクリック
左上のロゴをクリックしてホーム画面に戻ります。

セーフモードについて

学生用アカウントは、デフォルトでは作成したプロジェクトを共有して公開したり、イメージをアップロードしたり、他のTinkerCADユーザとコラボレーションしたりすることが制限されています。これをセーフモードと呼び、学生や子どもを、望ましくない、あるいは気を散らす可能性のあるコンテンツなどから保護しています。

セーフモードの影響を受ける設定

  • ギャラリー、検索結果、他のユーザーのプロフィールに表示されるデザインを、厳選されたスタッフのおすすめのみに制限します。
  • デザインのソーシャル共有を無効にします。
  • 独自のデザインを公開する機能を無効にします (教員および保護者は上書きできます)。
  • プロフィールにソーシャル リンクを追加する機能を無効にします。
  • 図形ライブラリ内の注目でないコミュニティ図形を非表示にします。
  • スクリーン名を除くすべてのプロフィール編集を無効にします。
セーフモードは教員用アカウントが「クラス」を作成するときに設定可能です。 また、途中でも教員用アカウントからON/OFFを個別 or 全体で設定可能です。

まとめ

ワークショップの時間を最大限「ものづくり体験」に使うためには、アカウント準備を事前に行うことが大切です。教員アカウントからクラスを作成して学生用ログイン情報をまとめておけば、当日はスムーズに活動を始められます。
「アカウント作成で時間を取られない」——これだけでワークショップの満足度はぐっと上がります。ぜひ事前準備に取り入れてみてください。

この記事を書いたのは

舞鶴図工室 in AIPCafe

福岡市中央区舞鶴で、3Dプリンターやレーザー加工機を使ってワークショップなどを行っているスペースです。
大人から子どもまで、デジタルものづくり機材や工作ツールを自由に使い、個性的なプロジェクトを実現できます。
イベント情報などは以下のサイトでご確認ください。