AIP社史編纂プロジェクトをはじめます
「作りながら見せる社史」を、みんなでつくりたい。
AIPの活動がはじまってから、気がつけばもう20年以上が経ちます。
AIPCafeで交わされた会話、天神・大名のWiFi実験、#daimyo のイベント、Cloud 3DAYS、明星和楽、Engineer Cafe、FGN…。
そのどれもが、その場にいた人たちの「手触りのある時間」として積み重なってきました。
そろそろ一度、
「AIPは何をしてきて、どんなふうに街や人に作用してきたのか」
を、きちんと言葉と記録に残しておきたい。
そんな思いから、
「AIP社史編纂プロジェクト」 を立ち上げることにしました。
なぜ、いま社史なのか
AIPは、もともと「場をひらく」「きっかけをつくる」ことを得意としてきた団体です。
講義供給から始まり、週次コミュニティやイベント、オープンスペースの運営へと重心が移り、
最近では Fab や自助具、こどものものづくりへと、活動のフィールドも広がっています。
その一方で、
- 誰がどのタイミングで“火をつけたのか”
- どういう実験が、どんな制度や場づくりにつながっていったのか
- そこで得た「やり方」や「渡し方」は、次にどう活かせるのか
といったことは、意外とバラバラな記憶の中に散らばったままです。
「いまのうちに、ちゃんと並べておかないと、もったいないよね」
──そんな危機感と、
「次の世代に渡せる“作法”として記録を残したい」という願いが、今回のプロジェクトの出発点です。
どんな社史をめざすのか
この社史は、いわゆる“自慢話集”ではなく、次のような性格を持ったものをめざしています。
- 循環の記録
「独自に先に試す → 街で見えるかたちにする → 制度に渡す → まだ誰もやっていないところへ再び入っていく」という、AIPらしい循環のパターンを、具体的な事例とともに描きます。
- 主語をちゃんと書く
どの取り組みを誰がリードし、誰が並走し、誰がサポートしていたのか。
できるだけ「主語」を曖昧にせず、関わった人たちの位置づけを丁寧に記録していきます。
- 事実と視点を分ける
日付や出来事などの「FACT」と、当時の判断や感情といった「VIEW」を分けて整理し、後から読んだ人が検証しやすい形にしておきます。
- “いま書く意味”も残す
各章の最後には、「なぜ、いまこの話を書くのか」を1行で添えます。
過去を懐かしむだけでなく、これからの試行錯誤につなげるための社史にしたいからです。
3つのアウトプットで残します
このプロジェクトでは、次の3つのかたちで成果をまとめていきます。
- 本編(書籍/PDF)
章立てされた本文と図版で、AIPの流れを通して読める形にまとめます。
- 裏付けアーカイブ
チラシ、写真、議事録、SNS投稿、報道記事など、一次資料を整理して台帳化し、「何を根拠に書いているか」がたどれるようにします。
- Webサイト『AIP社史編纂プロジェクト』
進捗や一次資料、動画をリアルタイムで公開していくサイトです。
「作りながら見せる社史」を掲げ、執筆の途中経過も含めて可視化していきます。
最初は、ごくシンプルな構成でスタートします。
- 「社史編纂プロジェクト」の趣旨説明(このページです)
- 動画「私とAIP」の募集
- AIP関連の資料の持ち込み・提供のお願い
まずはこの3点を載せたページを立ち上げました。
動画は当面、YouTube などにアップして貼り付ける形で運用する予定です。
「私とAIP」ショート動画が、最初の一歩
社史の土台にしたいのは、当事者の声です。
そのための第一歩として、30〜90秒のショート動画を集める「私とAIP」キャンペーン を同時に走らせます。
- 当時の立場と、いまの活動
- AIPで身についた習慣
- それが今の仕事や暮らしにどう活きているか
- 次の世代に渡したいこと
こうした断片を、短い動画という形で集めていきます。
集まった動画は、章ごとのタグや関わり方と紐づけて、年表などにピン留めし、「人の声から読める社史」 の素材として活用していきます。
(このあたりの募集方法や撮り方については、別の記事で詳しくご案内しています)
キックオフミーティングを AIPCafe ではじめます
せっかくなので、このプロジェクトのスタートも、いつものように「場」からはじめたいと思います。
「AIP社史編纂キックオフミーティング」 をAIPCafe(+オンライン)で開催します。
この場では、
- どういう社史をめざすのか(ざっくりした骨子)
- Webサイト『AIP社史編纂中』をどう作るか
- 「私とAIP」動画をどう集め、どう見せていくか
- どんな役割を、どんなふうに分担していくか
などを、参加してくれたみなさんと一緒に相談したいと考えています。
「サイト作れるよ」「動画編集なら手伝えるよ」「昔のフライヤー、まだ家にあるかも」
…といった、ゆるい感じの関わり方で大歓迎です。
もちろん、まずは「話を聞くだけ」「資料だけ持っていく」でもOKです。
参加登録は以下からお願いします。
一緒に、未来の誰かが読みたくなる社史を
この社史編纂プロジェクトは、AIPの“総仕上げ”ではなく、「次の実験にバトンを渡すための整理整頓」 だと考えています。
- 過去の試行錯誤から、今に活きている「作法」をすくい上げること
- 「これはうまくいかなかった」という話も含めて、正直に記録しておくこと
- いま関わっている人も、少し離れている人も、いつでも戻って来られる“回路図”を残すこと
そのどれもが、これからAIPと関わる人や、別の地域で似た挑戦をする人たちにとっての「足場」になるはずです。
AIPに関わってくださったみなさんの記憶や声が集まることで、はじめて見えてくる風景があると思います。
どうか、少しだけ時間をいただいて、あなたの「私とAIP」を、そして手元に眠っている資料を、
このプロジェクトに分けていただけたらうれしいです。
ミーティングの日程や参加方法、動画・資料の募集方法については、順次このサイトやSNSでお知らせしていきます。
その途中経過もふくめて、ぜひ一緒に楽しんでもらえたら幸いです。