TinkerCADと3Dプリンターでつくる3D組み立てパズル

今回は、3D組み立てパズルをつくります。
burr puzzleや組み立てパズル、木製のものは組み木パズルなどと呼ばれています。
様々な形がありますが、今回は、組み立てると3x3x3の立方体になるものを作成します。
学ぶ前に必要な技
- マウスのクリック&ドラッグ&スクロール
学ぶと使えるようになる技
- TinkerCAD
- ブロックの配置
- ブロックの移動
- ブロックの回転
- 複製と繰り返し
- グループ化
- 3Dプリント
- プリント方向を考える
準備するもの
- インターネットに繋がったパソコン(Windows・MacOS)or タブレット(iPad等)
- メールアドレス
- 3Dプリンター
平均所要時間
データ制作 0.5~1.5時間+出力0.5時間
つくりかた
アカウントの登録
TinkerCADでアカウントを作成します。
作成したら、ホーム画面右上の「+作成」を押します。

ブロックの配置と「複製と繰り返し」
まず、「ボックス」ブロックをクリックし、次に作業平面をクリックして配置します。

次に、サイズを長さ10mm x 幅10mm x 高さ10mmに変更します。

次に、「複製と繰り返し」を1回だけクリック。
なにも変わっていないように見えますが、同じ場所に2つのブロックが重なっています

ブロックを右に10mmドラッグすると、重なっていたブロックが見えてきます。

そして、ドラッグした方のブロックを選択したまま、「複製と繰り返し」を1回だけクリック

そうすると、右側にすでに移動されたブロックが出現します

「複製と繰り返し」について解説
「複製と繰り返し」は、事前に行った操作を記憶して、コピーと同時にその操作を行ってくれます。
今回は「右に10mm移動」という操作を記憶して、コピーした新しいブロックを右に10mm移動してくれました。
移動以外にも、回転(下の例:45度回転)や

サイズの変更(下の例:50%大きくして移動)なども記憶して繰り返してくれます。

「複製と繰り返し」を押してから次に「複製と繰り返し」を押すまでの間、選択している立体に加えた操作だけを記憶してくれるので、選択を解除してしまうと記憶していた操作がリセットされてしまいますので注意が必要です。
次に、一度何もないところをクリックして選択を解除してから、SHIFTキーを押しつつ3つのブロックをクリックして選択

「複製と繰り返し」を1回だけクリック

10mmドラッグします

そして3つ選択したまま「複製と繰り返し」を1回だけクリック

3列目が10mm先に出現します

また、一度何もないところをクリックして選択を解除してから、SHIFTキーを押しつつ、9つのブロックをクリックして選択

「複製と繰り返し」を1回だけクリック

ブロックの上にある小さな黒い三角形を上向きに10mm分ドラッグする

そして9つ選択したまま、「複製と繰り返し」を1回だけクリック

3段目が出現しました。これで3x3x3のブロックが完成です。

パズルをかんがえる
外から見えるブロックを、3~4つSHIFTキーを押しながらクリックし、選択します。
図では、①~④まで4つ選択しています

そして、右側の「ソリッド」と書いてあるところの上の色のついた丸をクリック。

下に出てきたパレットから、好きな色を選んでクリック

そのまま「グループ化」をクリック

ブロックを選択したところだけ継ぎ目がなくなり、色が変わっているのがわかります

そのブロックをドラッグし、中央のブロックから離します

元のブロックに、剥がしたブロックの形のくぼみができています

あとはこの作業を繰り返します。3~4つのブロックを選択し、色を変え、結合して、離します


ブロックを選択するときに注意すること
ブロックは、かならず面で隣のブロックと接してください。

辺や、点のみで接しているブロックは3Dプリンターで出力出来ません。

最後のほうになると、どうしても出力出来ないものが出来たりします。
そのときは、「元に戻す」を押して、前のブロックと形を調整してください。

1つだけ余ったときも、元に戻してもう一度かんがえてみるのがオススメです

できるだけ、3~4つのブロックをつかってつくってください。

完成したら、左上の名前部分をクリックして、わかりやすい名前をつけておきましょう。

3Dプリンターで出力するための工夫
3Dプリンターは、なるべく高さを低くしたほうが出力に時間がかかりません。
そのため、背の高いブロックはなるべく倒してあげましょう。
以下のL字の様なブロックを例にします。
ブロックをクリックすると出てくる中で、両側に矢印が着いて曲がっているアイコンにカーソルを合わせてドラッグすると

下の図のように、リングが出てきてブロックが回転します。

リングの目盛りにマウスカーソルをあわせたときは12.5度ずつ、その外側にあわせたときは1度ずつ回転します

このブロックは、90度回転させました。

空中に浮いていたので、ブロックの上にある小さな三角形をドラッグして地面まで下げていきます

ブロックの横に地面との距離が表示されるので、そこがゼロになるまでドラッグします


次の例のブロックは、支えがなく宙に浮いている部分があります。
こういう部分は3Dプリンターが不得意とする形状です。

そのため、図の向きに回転させて

このような方向にすると、空中に浮いている部分がなくなります。
どの方向に回転してもこれ以上低くならないのでこれで修了です。

すべて方向と位置を変更し終わったら、くっつかない程度に近くに移動させます

3Dデータのエクスポート
右上の「エクスポート」をクリック

ウィンドウの「ダウンロード」の「.STL」をクリック

え?「3Dプリント」を選ぶんじゃないの?
この画面の「3Dプリント」は一部の3Dプリンタにしか対応していません。

上の手順で選択した「.stl」は、ほとんどの3Dプリンタで使用できる3Dデータ形式です。
3Dプリンタに送信
ダウンロードフォルダに3Dデータが保存されます

その3Dデータを各自の3Dプリンターの出力ソフトで開き、スライスして出力します。
画面はCreality Printです。

完成

うまく組み立てると、3x3の立方体になります。

分割の方法によって、200種類以上の正解がある立体もあれば、6種類くらいしか答えの無いものもできます。
もし答えを忘れてしまった際は……?ちゃんと方法がありますのでご安心を。
この記事を書いたのは
舞鶴図工室 in AIPCafe
福岡市中央区舞鶴で、3Dプリンターやレーザー加工機を使ってワークショップなどを行っているスペースです。
大人から子どもまで、デジタルものづくり機材や工作ツールを自由に使い、個性的なプロジェクトを実現できます。
イベント情報などは以下のサイトでご確認ください。